任意整理と銀行口座

「口座がある銀行のローンを任意整理した場合」に、口座凍結が起こります。

例えば、Ｇさんが三井住友銀行・三菱UFJ銀行・楽天銀行の口座を持っているします。

そして、Ｇさんが楽天銀行のカードローンに任意整理を行った場合。

楽天銀行の口座は凍結しますが、三井住友銀行・三菱UFJ銀行は凍結せずにそのまま使えます。

三井住友銀行でいえば「ローン専用カード」に任意整理を行っても、キャッシュカードに影響はないため、銀行口座も凍結しません。

これは、他行でも同様で、ローン専用カードなら口座凍結はありません。

口座を作らずにカードローンだけを申し込んでいる方もいると思います。

その場合は、そもそも口座がないので何も影響はありません。

同じグループのカードに任意整理を行った場合も、銀行行座に影響はありません。

例えば、三井住友カードに任意整理を行っても、同じ三井住友グループの三井住友銀行の口座に影響はありません。

「銀行口座を凍結させないで任意整理をしたい」という方もいるでしょう。

・会社の給与振込が○○銀行指定になってる

・銀行口座が使えなくなると家族に怪しまれる

こうした場合は、銀行のカードローンに任意整理を行わなければ大丈夫です。

例えば、アコム・プロミス・楽天カード・三井住友銀行の4社の借入がある場合。

このような場合には、三井住友銀行を任意整理の手続きから外して、アコム・プロミス・楽天カードの3社だけ任意整理で進めるのです。

任意整理から除外した銀行は、当然今まで通り支払うことになります。

そのため、この銀行カードローンは利息付きでの返済になります。

また、他のカードを任意整理するため、ブラックリストになります。

この銀行カードローンは返済のみのカードになり、お金は借りれませんので注意しましょう。

銀行口座が凍結すると、キャッシュカードを使ってATMからお金を引き出すことができなくなります。

預金は全て引き出しておきましょう。

銀行口座の残高は空にしておきましょう。

なお、銀行口座にお金が残っていると、カードローンの支払い残と相殺されます。

任意整理で銀行口座が凍結すると、先のとおり、預金と相殺されます。

それ以外に、銀行口座からお金の出金もできなくなります。

そのため、給料や子供手当、年金など、凍結予定の口座にお金の入金がある場合には、予め、入金先口座を変更しておきましょう。

凍結口座に引落し設定をかけているものも変更しましょう。

例えば、光熱費や携帯代、保険料、家賃・カードの支払いなどが挙げられます。

凍結しない他の銀行口座に変更を行うか、コンビニ払いなどに変更ができます。

任意整理をするとブラックリストになり、クレジットカードは使えなくなるため、カード決済に変更するのはやめておきましょう。

任意整理開始の介入通知を、銀行が受領した時点で、銀行口座は凍結します。

銀行がこの通知を受け取ったら、保証会社から代位弁済を受ける手はずをとります。

「代位弁済」とは、あなたに代わって、保証会社が銀行へローンの残額を一括返済することを指します。

例えば、三菱UFJ銀行であればアコムが保証会社、三井住友銀行であればプロミス、楽天銀行であれば楽天カードが保証会社となります。

口座凍結が解除されるのは、保証会社から銀行への代位弁済が完了した時です。

一般的に、任意整理の開始から２、3ヵ月で、代位弁済は完了します。

早ければ1ヶ月ほど、遅ければ4、5か月かかるケースもあります。

ただし、あくまで口座を使用させるかは銀行の支店ごとの判断になります。

そのため、代位弁済が完了しても、銀行口座が使用できないケースはありますので、過度な期待はしない方が無難と言えます。

万一、口座変更を忘れて、任意整理がスタートしてしまい、銀行口座が凍結してしまった場合の対策も説明しておきます。

口座凍結すると、キャッシュカードでの出金は出来なくなります。

また、窓口でも普通に出金はできなくなります。

しかし、払い戻しを行う預金口座支店の担当者と、任意整理の代理人が事前に打ち合わせを行った上であれば、窓口での出金が可能になります。

これは例外であるため、非常に面倒な手順を踏むこともあります。

最悪、即日で引き出しができないケースや、事前に口座変更を行っていないので、窓口での出金が許されない場合もあります。

本当に注意しましょう。