保証人付きの借金を債務整理する場合の注意点

自己破産や個人再生では、全ての借金を対象としなければなりません。

債権者平等の原則・偏波弁済の禁止といった方針があるためです。

任意整理では、保証人付きの借金は除外して進められます。

つまり、任意整理なら、保証人に影響がないよう進められるというわけです。

任意整理を行なうと、自分で返済しているときよりも返済が減ります。

任意整理前と比べ、月々の返済が半分以下になることも珍しくありません。

そして、任意整理で浮いたお金で、保証人付きの借金の支払いに充てます。

こうすることで、結果的に保証人のある返済も楽になるというわけです。

保証人付きの借金へ債務整理を行うと、本人への支払いは止まります。

しかし、その代わりに、保証人に請求がされます。

そのため、保証人も一緒に債務整理の手続きに入ることがあります。

こうすることで、本人への請求も、保証人への請求も止められます。

しかし、この方法では保証人もブラックリストになります。

そのため、親やその他の親族、第３者の場合には「なぜ自分が巻きこまれなきゃならないのか」という事態になるケースは多いです。

実際のところ、債務整理の現場では、保証人も一緒に債務整理を行なうケースはほとんどありません。

保証人と債務者がご夫婦の場合。

こうしたケースでは、生活が一蓮托生なので、共に債務整理を行うこともあります。

保証人に迷惑をかけないなら、任意整理がベストですが難しいケースもあります。

任意整理ができないので、個人再生や自己破産をすると、保証人に請求が行われます。

保証人の請求も無くすために、一緒に債務整理をすると、保証人がブラックになってしまいます。

保証人付きの借金の債務整理では、上記のような懸念点があります。

債務整理の現場で多い対処法は、以下のとおりです。

・保証人には債務整理を行わない
（というよりは、保証人が債務整理を嫌がるケースが多い）

・保証人に支払ってもらう

保証人に債務整理を行なわない（金融ブラックを避ける）なら、保証人に払ってもらうしか方法がないのです。

保証人に支払ってもらう場合、保証人の自腹で支払うか？あなたが保証人に資金援助を行って払ってもらうか？いずれかの方法が考えられます。

個人再生と自己破産を行う場合に、「保証人にお金を渡して返済に充てる行為」は、裁判所に否定されます。

少なくとも、個人再生で再生認可、自己破産で免責許可の決定が出るまでは、資金援助はせずに、保証人の自腹で支払ってもらったほうが良いでしょう。